夜桜たまとエイトロックスの話

夜桜たまが死んだ。

 

からしてみればむしろまだ生きていたのかといった感じであったが、普通に応援してた人には大きな動揺が広がっていた。

 

りべるんがショックを受けていた様子のツイートをしていたので、そういや彼もアイドル部の話してたっけな、俺もアイドル部好きだし何かツイートしようと思って、そういえば、彼もエイトロックス使いだったっけな、と思い出した。

彼とは、Vtuberの好みもチャンピオンの好みも似てるのに余り接点がないという間柄であった。

 

んで、「エイトロックスが死んだ時の10分の1くらいにはキツイ」といった内容のツイートを発した。

 

 

 

 

 

 

俺は金が好きだ。なぜかといえば、金は全ての代わりになるからだ。

物も買える。命も買える。人も買える。心も買える。幸せも買える。夢も買える。とても大切なもので、そしてそのうえで、かけがえのないものではないから好きだ。

逆に言うと俺はな、かけがえのないものが嫌いだ。これがなきゃ生きていけないとか、あれだけが生きる理由だとか、それこそが自分の生まれてきた目的だとか、そういう希少価値に腹が立って仕方がない。

―貝木 泥舟『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』第26話より

 

 

 

ちなみに、私は物語シリーズはリアルタイムで追っていた偽物語以降見るのを辞めた。作品が多すぎて、話が長いと見るモチベが下がるからである。

 

 

エイトロックスは、俺にとってかけがえのないものだった。悪く言うから誤解されがちだが、俺は、本当に、本当にリーグオブレジェンドというゲームが好きだった。

あんなに面白いゲーム他にないと思ってたし、今でも一番面白いゲームとして、真っ先に頭に浮かぶ。

(再三言っているが、世界で一番面白いゲームを決めることは不可能である。人の価値観によって何を重んじるかは変わるし、仮に自分の中だけで完結させるとしても、それは日によって気分によって変わるものであるからだ。)

 

冷静に考えてみて欲しい。あんだけ狂ったようにlolプレイしていて、プレイ時間も凄いことになってるプレイヤーが、全くlolをしなくなるのはハッキリ言って異常だ。

俺は人生全てをlolに賭けるつもりなど毛頭なかったが、大きなウェイトを占めていたのも事実だ。

 

これだけ言ってもまだ伝わっていないような気がするし、究極を言えば人の気持ちを他人は理解できない、ただ想像するだけのみなのでこれは仕方のないことなのだが、俺はエイトロックスが死んで本当に、本当に悲しかった。

例えlolあれど同じチャンピオン存在せず。

誰だジャックスでいいとか言った奴は。満たされるものが全然違う。本当に、本当に◯んでほしい。

 

俺はlolにのめり込み過ぎたのだ。

 

 

 

 

それに比べてVtuberはなんだ。

何一つかけがえのないものなんて持ち合わせていないじゃないか。

 

そもそも、自分で操作するのとただ見て聞いて眺めての存在とじゃ全然格が違う。

テレビの芸能人が引退するのと、自分の愛車を失うのと、どちらの方がより苦痛だ?芸能人なんて幾らでも雨後の筍の如く湧いて出てくるじゃないか。

 

そう、Vtuberなんて有象無象なのだ。代わりなんて幾らでもいる。

 

静凛が最も良い例だ。

Vtuberの外見に限定した場合、彼女は最も優れたVtuberだと俺は思っている。最も、彼女は内面も優れているがね。

だが、彼女の長所は、配信頻度が高く、長時間配信をものともしない高いスタミナ、自分の配信スタイルをデビュー当時から一切ブレることのない芯の強さ、メンタルだったり、美しい声だったり、リスナーの事を本当に大切に思っていることが垣間見える所だったりそのせいかリスナーの民度も良いことなど、数多く挙げられる。

だがしかし、これはアイデンティティなのか?

最悪な言い方をすれば、彼女はナンバーワンではあるが、オンリーワンではない。

(良く言えば、全ての能力が高い。)

 

彼女よりも能力で遥かに劣るが、ゲーム配信をただだらっだらやってそれをひたすらのんびり眺める、これは他のライバーでも幾らでも出来る。

静凛でしか満たされないものなど存在しない。

 

わかりやすく静凛を例に挙げたが、これは全てのライバーに言えるんじゃないか?

 

俺はVtuberは誰が引退しても悲しい。

どんなに普段見ていなかったVtuberでも、「2度と見ることはできない」という事実を認識するだけで辛くなる。

 

だが、現実はこうだ。

月ノ美兎が引退したらその時間でリゼ・ヘルエスタを見る。

静凛が引退したらその時間で鈴原るるを見る。

樋口楓が引退したらその時間でアンジュ・カトリーナを見る。

 

元々見ていた物には劣るかもしれないけれど、埋め合わせにはなる。

 

究極、俺は態々配信画面を見ずにただ作業する裏でBGMとして流してるだけなので、どんな底辺Vtuberでもいい。

その時の気分で適当に配信かアーカイブを垂れ流す。

推しが引退しても、他の候補を再生するだけだ。

 

 

俺が最も敬意を払っているVtuber、緑仙、卯月コウ、そしてシスター・クレア。

 

彼らが引退したら、きっと胸が張り裂けそうなほど辛いだろう。

 

だが、vtuber見るのを辞めるのか?

 

きっと辞めない。他のVtuberを見るだけだ。

それに、アーカイブだって残るし、例え引退して削除されるとしても、その前に俺は幾つかの配信をmp3に残しているので、どうしても聴きたくなったらそれでまた会える。

 

 

 

 

 

 

エイトロックスは?

 

もうどこでも2度と触れない。

 

他のチャンピオンでは?

 

他のチャンピオンでは、あんなに上手く操作できない。

 

 

ただ見るだけではない、自分で操作するという1段階加わることによって、愛着はこれ程までに変わるのか。

 

これがゲームがアニメ漫画やVtuberよりも優れたコンテンツたる所以なのか。

 

書くことを進めて行く内に、自分でも気付かなかった事に気付かされる。

俺はアニメ漫画Vtuberよりもゲームが好きで、そのゲームの中でもリーグオブレジェンドが、間違いなく1番好きだった。

 

こんなに長い時間が経っても未だにそういうことなんだ。